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公務員で年収1000万円に到達することは可能か【国家公務員、地方公務員】

公務員についての相談を受け付けていると、「公務員で年収1,000万円に到達することは可能ですか」といった質問を受けたことがあります。仕事はお金がすべてではありませんが、自身の生活や健康が安定していなければ良い仕事はできないものですし、気に留めておくべきトピックだと思います。

この記事では、国家公務員一般職、国家公務員総合職、県庁・市役所・特別区について、それぞれ年収1,000万円に到達することの可否と、どれくらい勤続すれば到達できるかといったことについて紹介します。

目次

国家公務員一般職の場合

まず、国家公務員一般職の場合です。ここでいう「一般職」とは、採用試験の区分としての「総合職」「一般職」のことです。この記事では、以下「国家一般職」といいます。

再三お伝えしていることですが、注意しなければならないのは、人事院が公表している国家公務員の平均年収(例年660万円程度)は、国家総合職すべての国家公務員の平均値を取っているということです。実際には、国家一般職採用の場合であっても、採用された機関や勤務地によって給与が大きく異なります。

国家一般職の中でも給与が高いのは、霞が関の本府省で採用された場合です。本サイトでは、以下の記事のとおり徹底的に計算を行ったことがありますが、本府省勤務の国家一般職は、多くの場合45歳程度で年収1,000万円に到達します。受験生にお伝えすると、「イメージよりも高かった」といった反応をしていただくことが多いです。また、国家一般職の場合は、管理職になるのは少数ですし、ある程度横並びで昇格していきますので、その給与にも乖離は少ないです。また、45~50歳くらいで6級課長補佐になり、多くはそのまま定年を迎えることになります。また、その後7級室長に上がったとしても、6級→7級の間の給与の上がり幅は小さいため、いずれにせよ1,000万円あたりで頭打ちとなってしまうことが多いです。

一方、出先機関採用の場合には、本府省採用の国家一般職と比べて給与は低くなります。出先機関の場合、地域手当の金額(支給割合)が、給与を左右する大きな要因となります。東京23区内の出先機関であれば地域手当の支給割合は20%となり、全国の出先機関の中では最大となります。ただし、東京23区内の出先機関に勤務する場合であっても、俸給表の昇格のスピードや本府省手当の支給有無の違いによって、本府省勤務の国家一般職には及びません。東京23区内や都心部、大阪府内の出先機関で、かなり上手く行った場合で、定年までに年収1,000万円に到達できるかどうかといったくらいになります。一方、地域手当の支給がない場合だと、地方の出先機関の課長級では扶養手当を含めても年収750万円程度であり、年収1,000万円に到達するのは難しいです。

国家公務員総合職(キャリア官僚)の場合

国家総合職の場合はどうでしょうか。国家総合職についても、以下の記事のとおり、本サイトでは過去にその給与を緻密に計算したことがあります。

結論としては、国家総合職の場合、おおむね40歳頃に年収1,000万円に到達します。40歳であれば、ストレートに入庁していれば入庁19年目頃となりますが、昇格が早めの省庁であれば室長級になっています。あるいは、室長級に上がっていなければ6級の課長補佐級になりますが、いずれにせよ年収1,000万円程度には違いありません。下述する地方公民とは異なり、国家総合職もまたある程度横並びに昇格していくため、6~7級くらいまでは同期入庁者内での乖離も小さいです。

ちなみに、それ以降に目を向けると、同期入庁者内での乖離は大きくなります。10級課長級(年収1,400万円程度)で定年を迎える職員が多い一方で、一部の職員は審議官級、局長級、事務次官といった指定職へ任用されることになります。そうすると年収は1,000万円台後半から2,000万円代前半程度まで加速度的に上昇します。

地方公務員の場合(都道府県庁・政令市・特別区)

地方公務員の場合には、国家公務員と異なり、同期入庁者の中でも給与に差が大きく開くという特徴があります。国家公務員の場合には、採用区分によってその後のキャリアがある程度決まってくる部分がありますが、地方公務員の場合にはそのような仕組みは基本的に存在しないためです。地方公務員の場合、同年齢の職員であっても、主に次の三つの軸が給与の大小に影響を与えます。

地方公務員の給与の変動要因
  • 役職
  • 当該自治体の地域手当支給割合
  • 超過勤務の多さ(非管理職の場合)

特に大きいのは①の、役職(昇任の有無・速さ)です。地方公務員の場合には、同期入庁者の中でも、昇任の早さが大きく異なってきます。一律で管理職になるというわけではないので、そもそも管理職試験を受けて昇格するかしないかといった違いもあります(一方の国家公務員では、管理職登用のための試験が課されないことがほとんどです。)。一方で、地方公務員に支給される管理職手当や、それに応じた期末勤勉手当の役職加算額はかなり大きいので、管理職とそれ以外では給与に大きな差が生じます。

具体的には、まず、都道府県庁の場合では、最も地域手当の支給割合が高い東京都では40代前半で課長にまで昇任すれば、年収1,000万に到達します。東京都ではモデル給与を公開しており、45歳課長で1,000万円強としています。東京都職員として入庁した場合に課長級にまで昇進できるのは少数派です。東京都では主任級職と課長級職に上がるためには難易度の高い試験が課されます。これらの昇任試験の合格率は区分にもよりますが3割前後で、実力主義といえるでしょう。40歳頃に年収1,000万円に到達することは可能ではあるものの、国家公務員よりも入庁後の実力を問われるということになります。

その他の政令指定都市や都道府県庁、特別区の場合でもおおむね同様です。40歳頃に課長級職にたどり着ければ、地域手当の割合にもよりますが年収1,000万円に到達するか、それに近いくらいの給与水準になります。また、かなり狭き門ではありますが、その先の部長級や局長級に任用されれば、1,200~1,400万円くらいの水準に到達します。ただ、これらの自治体の平均年収は700万円程度として公表されていることが多いことからも分かるように、課長級以上に任用されるのは少数派であり、試験を突破して昇任を繰り返していくのにはそこそこの難易度があります。

なお、それ以外の地域手当の支給のない市役所等であれば、課長級に任用されたとしても800~900万円程度の年収に留まるということが多いです。

まとめ【一覧化】

いかがでしたでしょうか。端的に言えば、国家公務員一般職であれば、ある程度横並びで45歳程度で年収1,000万円に到達します。国家総合職であれば、もう少し早く40歳程度で到達します。地方公務員のうち政令指定都市・都道府県庁・特別区の場合には、昇格を繰り返して課長級職になることができれば、年収1,000万円に到達できますが、各自治体の中ではマイノリティです。地方公務員の場合には、とにかく同期入庁者の間でも差がつくというところにポイントがあります。

最後に、この記事の標題に答える形で、これまでの記述を整理して一覧化します。

  • 国家総合職:ある程度横並びに、40歳程度で年収1,000万円に到達する。
  • 国家一般職(本府省):ある程度横並びに、45歳程度で年収1,000万円に到達する。
  • 国家一般職(出先機関・都心):ごく一部は定年間際に年収1,000万円に到達することも可能。
  • 国家一般職(出先機関・地方):年収1,000万円に到達することは難しい。
  • 政令指定都市・都道府県・特別区:マイノリティだが、課長級以上に昇任すれば年収1,000万円に到達する。
  • その他市役所:年収1,000万円に到達することは難しい。

いかがでしょうか。公務員の人気は凋落気味であると言われますが、給与という観点で民間企業と比して、どのような水準にあると感じられるでしょうか。

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