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過去6年度分から見る公務員試験の倍率の推移(関東圏編)

昨今の報道では、公務員試験の人気や難易度が凋落しているという話をしばしば目にします。この記事では、その実態を明らかにするべく、勤務地が主に関東圏となる大規模な試験種の試験倍率(1次試験受験者/合格者)の推移を調査し、まとめましたので、ご覧ください。

目次

東京圏の公務員試験の倍率の推移

結果は以下のとおりです。

いかがでしょうか。まず注意していただきたいのは、令和2年度の倍率が全体的に低下しているのが見て取れますが、これはコロナショックによるものですので、異常値として捉えるべきです。

令和2年度を度外視して見てみると、たしかに近年の公務員試験の倍率は低下の一途を辿っており、難易度についてもおおむね同じことが言えそうです。

特別区Ⅰ類、政令市(川崎市)、県庁、国家総合職、国家一般職、裁判所事務官等はその傾向が顕著であると思います。特に、特別区Ⅰ類は私が受験生だった頃は6〜8倍のイメージで、何ならそれ以前は10倍を超えていたこともありました。それを考えると物凄い勢いで易化が進んでいると思います。

政策立案や行政の執行に携わる公務員の人材確保が危ぶまれていることは間違いなく問題ですが、逆に、これから公務員を志す人の立場からすれば、チャンスとも考えられます。

ただし、「倍率=難易度」ではないので注意

なお、以上のとおり各試験種の倍率を掲載しましたが、これが一義的にその難易度を示すものではないことにはご注意ください。公務員試験の「倍率」と「難易度」は完全にイコールではありません。「難易度」に対して因果関係を持つ因子には、「倍率」のほかに「受験者のレベル」があるためです。例えば東大の学部入試でも、多くの学部において前期日程の倍率は2〜3倍台です。上の例で言えば、令和5年度の国家総合職(大卒経済)と東京都Ⅰ類Bでは後者の方が倍率が高いですが、難易度としては前者の方が高いと推察します。

また、国家総合職と国家一般職については、上掲の表において、最終合格までの倍率を掲載しています。実際にはその後に行われる官庁訪問においてもある程度の倍率が生じています。官庁訪問の倍率はブラックボックス化されており不詳ですが、単純に最終合格者と実際の採用者数の関係から推測するならば、官庁訪問期間中フルに訪問して内定をどこかから得られる倍率は2〜3倍程度と思われます。

まとめ

  • 全体の傾向として、公務員試験の倍率は低下傾向にある。
  • 特別区Ⅰ類、一部の政令市、一部の県庁、国家総合職、国家一般職、裁判所事務官等は著しく低下中。
  • ただし、公務員試験において倍率と難易度は同一の概念ではないため要注意。

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