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公務員試験における受験先・科目選択のパターンについて【よくある三例を紹介】

公務員試験(行政系)においては、専門試験、教養試験ともに多数の試験科目が出題されるため、すべてを完璧にこなすことは不可能で、取捨選択が重要となります。この点で大学入試等とは性格が異なっています。この記事では、行政系の公務員を併願する場合のよくあるパターンと、それらの場合に勉強すべき科目をいくつか紹介します。

目次

パターンA:国家系+自治体を幅広く乱れ撃ち

まずは、国家公務員と地方自治体を幅広く乱れ撃ちする、最も王道と言えるパターンです。このパターンでは、コストパフォーマンスの高い科目を勉強して、試験日程が被らない限りなるべく多くの試験種を併願します。いわゆる「全落ち」を回避するためには、良い戦略となります。専門試験を一通り学習することとなるため、余裕を持つためには半年程度の勉強に集中できる期間が欲しいところです。

パターンAの場合の併願先
  • 国家総合職(法律系or経済系or政治国際系)
  • 国家一般職
  • 国家専門職(国税or財務or労基等)
  • 裁判所事務官
  • 特別区Ⅰ類or東京都Ⅰ類B
  • 地方上級or市役所A
  • その他市役所

以上のように、とにかく、試験日程が被らない限り多くの試験を受験するというパターンです。多くの試験科目を勉強する必要はありますが、国家一般職や特別区Ⅰ類のように、筆記試験対策を十分にこなせば堅実に内定を得られる可能性が高い試験種を含むため、全落ちのリスクが小さくなります。特別区Ⅰ類か東京都Ⅰ類Bについては勤務地は東京都内に限られますが、首都の公務員というだけあって全国から幅広く人材が集まるため、地方在住の方にも受験を推奨できます。また、国家総合職についても、人によっては学歴偏重といったイメージを抱いている方もいらっしゃるかもしれませんが、実際は人材の多様化が顕著に進んでおり、その限りではありませんので、気軽に受験してみることをおすすめします。

なお、この試験日程は記事執筆時点のものです。たまに変動がありますので、必ずご自身で確認してください。(たとえば、以前には、裁判所事務官と国家専門職が併願できない年度もありました。)

この場合に勉強すべき科目は次のとおりです。

パターンAの場合に勉強すべき科目

【専門科目】

  • 憲法
  • 民法
  • 行政法
  • ミクロ経済学
  • マクロ経済学
  • 財政学
  • 政治学
  • 行政学
  • (その他、必要に応じて社会学、経営学、会計学等)

【教養科目】

  • 数的処理
  • 時事
  • 英語

これをベースに、各試験種の志望度や個人の得手不得手に応じて取捨選択のアレンジをすることをおすすめします。

たとえば、国家専門職の志望度が高いなら、たとえば国税専門官志望の場合には会計学を別途勉強するなどの必要があります。また、裁判所事務官の志望度が高い場合は、経済理論か刑法のいずれかが必須になりますが、経済理論がどうしても苦手な場合は刑法を勉強することも選択肢として視野に入れるべきです。

また、教養科目のうち人文科学や自然科学については、大手予備校等では大々的に勉強するよう指導されていますが、余裕があるなら勉強してもよいという程度のものだと認識しています。このサイトで繰り返しお伝えしていますが、公務員試験の筆記試験の主軸は専門科目です。特に今後は国家系の試験種を中心にこれらの科目は出題されなくなりますので、一切捨てるという選択がスタンダードになってくることでしょう。

パターンB:法律系科目のみを勉強

次に、経済原論2科目と政治学等の学系科目を一切捨てるというパターンです。主に、法学部出身で公務員試験のための対策をする時間が十分に取れないが挑戦したい場合、司法試験の対策をしている方が片手間で公務員試験を受験する場合、経済学がどうしても苦手だが法律は得意という方の場合を想定しています。少数派ですが、こういう受験の仕方をされる方もいらっしゃいます。

パターンBの場合の併願先
  • 国家総合職(法律系)
  • 裁判所事務官
  • 東京都Ⅰ類B
  • (その他、法律系科目に特化した自治体や、国家専門職の受験も不可能でない)

勉強する科目が法律系科目に限られることで、受験できる試験種はこのように少なくなります。全落ちとなるリスクは高まりが、裏を返せば、特定の試験種に特化することができるため、第一志望が国家総合職(法律系)や東京都で、それ以外に進みたくないという意思が強い場合等には選択肢となり得ます。

パターンBの場合に勉強すべき科目

【専門科目】

  • 憲法
  • 民法
  • 行政法
  • (その他、必要に応じて労働法、刑法、商法、国際法等)

【教養科目】

  • 数的処理
  • 時事
  • 英語

このように試験科目はかなりコンパクトになります。例えば、国家総合職(法律系)に特化する場合、憲法、民法、行政に加えて労働法、刑法、商法、国際法を勉強することで、専門試験40題のうち42題をカバーできるようになります。また、裁判所事務官を受験する場合は経済学か刑法を選択する必要がありますので、このパターンの場合では刑法が必須となります。

パターンC:地元に残ることができる試験種のみを受験

こちらは割とよくいらっしゃいますが、転勤が生じ得ない公務員になりたいという方を想定しています。転勤が少ない公務員については以下を参考にしてみてください。

パターンCの場合の併願先
  • 国家一般職
  • 裁判所事務官
  • 地元の地方上級or市役所A
  • 地元のその他市役所
  • (検討次第では国家専門職)
  • (地元が関東なら特別区Ⅰ類or東京都Ⅰ類B)
  • (公務員ではないが国立大学法人)

広範囲に渡る転勤が発生する可能性のある試験種を捨象すると、以上の試験種が残ります。この場合の勉強科目は次のとおりです。

パターンCの場合に勉強すべき科目

【専門科目】

  • 憲法
  • 民法
  • 行政法
  • ミクロ経済学
  • マクロ経済学
  • 財政学
  • 政治学
  • 行政学
  • (その他、必要に応じて社会学、経営学、会計学等)

【教養科目】

  • 数的処理
  • 時事
  • 英語

勉強する科目についてはパターンAと大きく変わりません。

まとめ

  • 公務員試験(行政系)においては、専門試験、教養試験ともに多数の試験科目が出題されるため、受験先と勉強する科目の取捨選択が重要。

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