国家公務員総合職試験のうち、院卒者区分や、教養区分においては、二次試験の一部として政策課題討議試験が課されます。
受験案内では、「課題に対するグループ討議によるプレゼンテーション能力やコミュニケーション力などについての試験」であるとされています。
この政策課題討議試験については、配点がそこまで大きくないことからも影が薄めですが、事前に、どのような試験であるかを知っておくくらいはマストで必要です。
今回は、政策討議試験の概要や、その対策方法について記事を作成しました。
山島なお、筆者は受験生当時に政策課題討議試験を受験しており、A~Eの5段階評価でBの評価を得ています。(政策課題討議試験は、大半がCの評価に落ち着く試験です。)
政策課題討議試験の流れ
政策課題討議試験は、1時間30分かけて行われます。その流れはおおむね以下のとおりです。
①レジュメ作成
数十名ほどの受験生が一つの会場に集められ、そこで、(おそらく予め準備された複数のテーマのうちから一つが与えられ、)特定のテーマについて記されたペーパーが配布されます。
そのペーパーを見ながら、テーマについて自分なりの意見をまとめるためのレジュメを作成することが求められます。時間は30分程度です。
「高等教育と初等教育のどちらに重点を置くべきか」「ベーシックインカムを日本に導入するべきか」といった専門性の高い題材がテーマとして設定されることが多く、選択肢が多いためこのテーマを予想することは難しいです。また、議論しやすくするために、このような二律背反のテーマが与えられることが多い印象です。
一方、配布されるペーパーには様々な情報や統計が記載されており、事前知識がなくとも自分の意見をまとめられるようになっています。
②移動
その後、同じテーマを割り当てられた受験生同士が議論を行うための別室へ移動します。
6名程度の受験生と、数名の試験官が部屋に入室することになります。
③討議
別室に入ると、6名程度の受験生が、お互いに向き合うような形で座ります。
そうすると、試験官から案内があり、討議が始まります。
それ以降は、討議の具体的なやり方は受験生に一任されることが多いですが、主に以下のようなパターンで進行していきます。
以下の全てを合わせて、与えられる時間は概ね40分くらいです。
③-1 レジュメの発表
まずは、受験生同士で、先ほど作成したレジュメに基づき、それぞれの意見を発表し合います。
ちなみに、このとき、互いの自己紹介は極力省かれ、いきなりレジュメの発表が開始されます。例えば名前、出身大学、経歴等は明かさないまま討議が始まるのです。
③-2 役割分担決め
役割を決める場合は、討議の中身に入る前に「司会進行役」(リーダー?)等の役割を担う人を決めることになります。あるいは、そういった役割を持つ人を定めずに進行することもありますし、どちらでも構いません。その場の流れに身を任せるのがベターです。
③-3 討議
そして、具体的な議論に入っていきます。
与えられるテーマは、「きわどい」ものが多いので、意見がどちらか一方の結論に偏ることは稀です。
レジュメを発表し合うことにより、自然と対立や矛盾、疑問が生まれているはずなので、お互いにそれについて質問し合うところから議論が始まるはずです。
③-4 まとめ
最後の10分くらいに差し掛かったら、討議の内容を経て、1人につき1~2分程度で、感想や、討議を経て自分の考えがどう変わったか(あるいは変わらなかったか)などを発表し合います。
以上で政策討議試験は終了となり、進行が試験官に引き継がれます。
ワンポイントアドバイス
レジュメはそこまで重要ではない?
注意したいのは、レジュメの内容自体はそこまで重要ではないということです。
前掲のとおり、政策課題討議試験は「課題に対するグループ討議によるプレゼンテーション能力やコミュニケーション力などについての試験」であるとされています。
知識を問う試験は第一次試験の専門試験や基礎能力試験で終わっているのです。
- あくまで、政策課題討議試験で測られているのはグループで議論をする上での技術や能力であるということに留意したいです。
グループのリーダーになるべきか
役割分担を決めずに討議が始まった場合はそれでいいのですが、グループによっては、司会を選出しようという流れになることもあります。
このような場合、必ずしもグループのリーダー(司会役)になる必要はありません。
討議の内容で貢献できれば十分なので、自らリーダーになるのは受験戦略上リスクを伴うと考えています。



筆者が受験した際も、自ら司会役を買って出ることはしませんでした。
決して論破してはいけない
政策課題討議試験において絶対にやってはいけないことが一つあります。
- 絶対にやってはいけないのは、高圧的に相手を論破しようとすることです。
あくまで建設的な議論を心掛けましょう。
一方で、イエスマンになっても良くありません。易々と自分の考えを放棄するのも心象が良いとは思えません。
そこで、政策課題討議試験では塩梅を取ることが重要です。



私が受験生として受験した際には、最後の振り返りの時間に「討議を経ても私の結論は変わらないが、〇〇という気づきを得ることができました」という結びでしめくくりました。
あるいは、自分の意見を全面に押し出すのではなく、「議論を整理すると、Xという考え方とYという考え方の二つがあるように思います。AさんとBさんはX寄りの考えだと思いますが、」といったように、論点整理した上で議論の種をまくような立ち回りもグッドです。
評価を得るためには、相手を打ち負かすのではなく、発散した意見を集約することや、行き詰った時に議論に新しい論点を付与することといった、議論を円滑化するような役割を担うことが重要です。
対策方法
上述のとおり、政策課題討議試験で出題されるテーマを当てるのは困難です。
また、仮にテーマをある程度予想できたとしても、政策課題討議試験では事前知識の量ではなく、グループで議論するための技術を見られているため、あらかじめ知識を仕入れておくことにあまり意味は無いように思います。
かといって、無対策でいいというわけではありません。
- 国家公務員総合職試験の要は専門試験にあるため、まずは専門試験の勉強に注力すべきですが、政策課題討議試験が課せられる試験種の場合は、余った時間で必ず政策討議の(勉強ではなく)「対策」をしておく必要があります。
具体的には、最も推奨できるのは、アガルートアカデミーの「政策課題討議対策講座」を受講しておくことです。ボリュームは大きくないので一次試験合格後に空き時間ができた時に受講できますし、もちろん、アガルートアカデミーの公務員試験を受けていなくとも、単科的に受講できます。
政策課題討議は国家公務員総合職試験に特有の試験ですので、一般的な公務員試験や民間就活では潰しが利かないという特性があります。以上で挙げたワンポイントアドバイスのほかにも注意すべき点は多数ありますし、「政策課題討議対策講座」等で対策を行っておくことが重要です。










