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国家公務員一般職の合格体験記の紹介【税関、整備局、労働局、本省等】

受験生の方にとって、合格者の経験ほど有用なものはないのではないでしょうか。特に、独学で公務員試験対策を進めている方にとっては貴重なものです。

今回は、私が受験生指導に携わらせていただいた方の合格体験談から、本サイトでの公開許可を頂けたものについて、四つ紹介します。なお、この記事で取り扱うのは国家公務員一般職のものです。また、以下の合格体験談は、「です・ます」調を「だ・である」調に統一するなど、趣旨に影響の無い範囲で筆者が修文を行っています。

目次

一人目 国家一般職(税関)の合格体験談

イニシャル・受験時年齢・出身大学

  • イニシャル:Hさん
  • 受験時年齢:23歳
  • 出身大学 :地方国立大学文学部卒業

受験結果

  • 国家一般職(一年目):筆記試験不合格
  • 政令指定都市(一年目):筆記試験不合格
  • 市役所(一年目):筆記試験不合格
  • 国家一般職(二年目):最終合格、税関に内定
  • 政令指定都市(二年目):最終面接不合格
  • 市役所(二年目):最終面接辞退
  • 東京都庁(二年目):筆記試験不合格

内定までの経緯

大学3年生の2月から独学で公務員試験の勉強を始めた。その後5月頃から試験が始まったため、かなり遅めのスタートだった。大学4年生の時に国家一般職試験、地方上級等を受験したが、どれも最終合格には至らなかったため、大手予備校に通学してもう1年勉強したところ、国家一般職に最終合格。内定を得られた地方税関に進むことにした。

筆記試験対策のポイント

とにかく早く対策を始めることが大事だと感じた。国家一般職や地方上級レベルであれば、数か月で合格に至るのは難しいのではないか。あと3か月程度あったら、最初の受験時に合格水準に達することができていたかもしれない。民間就活との併願は難しいため、公務員に魅力を感じるのであれば、早めに民間就活は切り上げて勉強に時間を費やすべき。

また、数的処理の対策にはかなりの時間を費やしたが、〇〇さん(筆者)の言うように得点源となったのは憲法、民法、経済学等の専門科目だった。数的処理は個人の才能にもよるので、向いていないと感じたら最低限の対策に留め、その分を専門科目の勉強に充てた方がよい。

私の場合は予備校で学びだしてから得点力が伸びた。可能な限り予備校は活用したほうがよい。

面接試験対策のポイント

人事院面接については、オーソドックスな質問ばかりだった。税関への官庁訪問については、説明会にも頻繁に顔を出していたこともあり、先方に熱意が伝わったことが内定の決め手になったのではないかと感じた。

大手予備校等の面接シミュレーションは活用してよいと感じたが、一度で十分だった。想定される質疑応答集を作成しておくことはとても大事だと感じた。

二人目 国家一般職(地方整備局)の合格体験談

イニシャル・受験時年齢・出身大学

  • イニシャル:Aさん
  • 受験時年齢:21歳
  • 出身大学 :関西大学卒業見込み(新卒)

受験結果

  • 国家一般職:最終合格、整備局に内定
  • 国家総合職:最終合格、官庁訪問辞退
  • 政令市  :最終面接不合格
  • 特別区Ⅰ類:最終合格、区面接辞退

内定までの経緯

大学3年生の5月から学内の公務員試験講座の受講を開始した。民間就活は一切行わなかった。法学部出身ということもあって、筆記試験は比較的得意で、国家総合職を含めて筆記試験は全て合格した。ただし、できれば地元で働きたかったため、国家総合職の官庁訪問は行わなかった。地元志向が強く、地元の政令指定都市が第一志望だったが、最終面接で不合格になったため、第二志望の整備局に進むことにした。

筆記試験対策のポイント

大手予備校が大学に来るタイプの講座を受講して一年間勉強した。法学部出身なので、憲法、民法、行政法はとっつきやすかった。ミクロ経済学とマクロ経済学の計算問題は最後まで苦手意識があったが、計算を使わないグラフの問題が多く出題されたこともあって、筆記試験は高得点を維持できた。経済学は計算問題に限らず、文章問題やグラフ問題の比重も結構大きいので注意した方がよい。国家一般職では教養試験は7割、専門試験は8割近く得点することができた。

面接試験対策のポイント

内定を得るまでに様々な面接を経験したが、面接を行うたびに面接が上手くなっている実感があったので、私は活用しなかったが模擬面接等は有用かもしれない。

三人目 国家一般職(労働局)の合格体験談

イニシャル・受験時年齢・出身大学

  • イニシャル:Sさん
  • 受験時年齢:28歳
  • 出身大学 :首都圏公立大学卒業(社会人経験あり)

受験結果

  • 国家一般職:最終合格、労働局に内定
  • 横浜市  :二次面接不合格
  • 東京都庁 :筆記試験不合格
  • 市役所  :筆記試験不合格

内定までの経緯

大学卒業後、民間企業に就職したが、広範な転勤に嫌気が差したこと、もともと公務に関心があったことから、公務員を志すようになった。自治体や国家一般職等の転勤範囲が小さいところを志望した。

働きながら在職中に受験したため、公務員試験対策には苦労した。対策にかけた期間はおよそ1年間ほど。土日には4~6時間程度、仕事が早く終わった日は夜に1時間程度勉強する生活を続けた。予備校は利用したかったが時間的制約があるため、必然的に独学せざるを得なかった。

筆記試験対策のポイント

勉強できる期間に限りがあったため、取捨選択を行った。結果的にこれが良い結果につながった。教養試験対策には手が回らなかったため、勉強したのは憲法、民法、行政法、ミクロ経済学、マクロ経済学、行政学、政治学、時事対策あたりである。結果的に、国家一般職や政令市のような専門科目の比重が大きいものは通過できた。一方で、私の受験した市役所は専門試験が課されないタイプだったため、数的処理に苦戦して筆記試験で不合格となってしまった。

また、英語がもともと得意だったため、これが少しだけアドバンテージになったと感じる。

面接試験対策のポイント

なぜ公務員を志望するか(もちろん転勤が少ないなどの理由はNG)、自己PR、職務経験等については、深堀りされたときにどのように答えるかを自分の中で準備していた。それ以外に対策は行っていない。社会人経験があると面接での受け答えに余裕を持てると感じた。私が新卒だった頃に受けた面接の際よりも緊張しなかった。そういった意味では、社会人は、筆記試験においては時間を取れない分不利になるが、面接試験では新卒組よりも有利かもしれない。

余談

私は28歳の時に公務員試験を受けた。国家一般職の年齢制限は30歳くらいまでであるため、かなり年長な方だと感じていたが、内定者と顔を合わせると30歳くらいの内定者の方もいた。案外と公務員試験は年齢には寛容だと感じた。大学卒業後に何をしてきたか、それを納得のいく理由で説明できるかが重要だと感じた。

四人目 国家一般職(本省)の合格体験談

イニシャル・受験時年齢・出身大学

  • イニシャル:Kさん
  • 受験時年齢:22歳
  • 出身大学 :法政大学社会学部卒業見込み(新卒)

受験結果

  • 国家一般職:最終合格、某省に内定
  • 国家総合職:最終合格、官庁訪問不合格
  • 国税専門官:最終合格、内定辞退

内定までの経緯

試験の半年前から勉強開始。法学部でも経済学部でもないので、ほぼ初学からのスタート。予備校は利用せず、基本的に独学で対策を進めた。情報収集はネットやXで行った。国家総合職と国家一般職のいずれも最終合格した。内定先の某省に対しては国家総合職の枠で官庁訪問したが内定を得られず、その後国家一般職の枠で再度官庁訪問したところ内定を得られた。

筆記試験対策のポイント

完全に独学で勉強を進めたが、筆記試験対策は独学でも何とかなると感じた。公務員試験対策は、とにかく「スー過去」や「解きまくり」などの過去問集を何度も解くことが基本的な姿勢となる。最初に、どの過去問集・テキストを使うかといったことをネットで情報収集した後は、自分との戦いになるので、個人的には予備校に頼る必要はないと感じた。

とはいえ、私の場合はすべてギリギリで筆記試験を通過しているため、可能なら予備校に頼るのもアリかもしれない。半年間独学で勉強した結果、国家総合職、国家一般職、国税専門官とも多肢選択式の正答率はすべて6割程度だった。教養試験が苦手で5.5割程度、専門試験が少し得意で6.5割程度正答できた。

また、最初から本省のみを志望して国家一般職を受験することにしたが、アドバイスどおり関東ではなく地元の地域区分で出願したことは良い選択だった。関東の区分で出願しても合格できたかもしれないが、地元の地域区分で出願したことでより高い順位で合格できた。

面接試験対策のポイント

予備校に頼っておらずどう対策してよいか分からなかったため、ココナラを通じて面接対策やESの添削を行った。結果的にこれは必要だったと感じている。独学でも公務員の内定は得られるが、面接試験対策についてはこのように何かしらのアクションを起こすことは必要ではないか。

また、国家公務員系の面接は、人事院面接と官庁訪問で雰囲気が違うので注意。官庁訪問はフランクだが踏み込んだ質問が多い。人事院面接は厳かだが質問はオーソドックスなものが多い。

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