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職場としての「総務省自治」について【省庁別イメージ紹介シリーズ】

「省庁別イメージ紹介シリーズ」は、このサイトにおいて、特定の省庁をピックアップして紹介を行うという企画です。出先機関というよりは、各本省に焦点を当てた記事となります。前回は、以下のとおり経済産業省を取り上げました。

今回は、総務省のうちでも、「地方自治(いわゆる「自治」)」と呼ばれる採用区分について紹介したいと思います。総務省は、採用区分がいくつか分けられていますが、「自治」として採用された場合は、その名のとおり、総務本省では主に自治行政局に勤めることになります。

目次

基礎的データ

・組織

総務省は、あまり知られていませんが、二つの外局を擁しています。その一つが、意外に思われるかもしれませんが、消防庁です。「自治」採用の場合にも、消防庁に勤務することは普通にあり得ます。また、規模は小さいですが、もう一つの外局は公害等調整委員会です。

出先機関としては、各地域ごとに管区行政評価局と、総合通信局が置かれています。国家一般職の場合には人気のある就職先ですね。国家総合職の場合、それぞれ行政評価局採用やテレコム採用には関係が大きいですが、「自治」採用の場合はこれらの出先機関に行くことは基本的に無いと思われます。

・組織
  • 総務省……4,300人程度

職員数は上記のとおりで、省庁の中ではそこそこの規模ですね。国土交通省や厚生労働省のように職員数が30,000を超えるところと比べると小さく見えますが、環境省や文部科学省のように2,000人程度のところもありますので、中央省庁の中では中位くらいの規模感だと思います。

・庁舎

総務本省の庁舎は、霞ヶ関の中央合同庁舎第2号館です。第2号館には、総務省と警察庁が所在しています。霞が関の中央合同庁舎は、中へ入るために国家公務員身分証(マイナンバーカードに身分証機能を付与したもの)が必要ですが、警察庁のエリアはセキュリティが特に高くなっているため、総務省とは同じ建物内ですが隔てられています。

また、「第2号館」と銘打たれてはいますが、建物は重厚な造りで、西暦2,000年頃に建て替えられているため、合同庁舎の中では比較的新しめな部類になるのではないでしょうか。

採用難易度はかなり高い

第一に思い浮かぶのは、その採用難易度の高さではないでしょうか。総務省はいわゆる「五大省庁」の一つと言われることがありますが、とりわけ「自治」の採用難易度は突出しています。各中央省庁の採用者の出身大学は、だいぶ前には公開されていた時代もありました。現存する最後の時点のデータでは、総務省の採用者における東大出身者の割合は「65%」です。それに京大・一橋大を加えると「83%」となり、大宗を占めています。さらに、その中でも「自治」は東大出身者が多いという傾向があります。

霞が関全体として学校歴の多様化が進んでいますが、それでも、総務省自治については現在も東大出身者がかなり多いという特徴があると感じています。詳細は以下の記事をご覧ください。ピックアップした時点の比較になりますが、総務省は、財務省、経済産業省等を抑えて、最も東大出身者の割合が高いという結果が得られています。

地方自治体の幹部を歴任することになる

その人気の一つは、総務省自治の独特なキャリアパスにあるのではないでしょうか。地方自治は国の根幹を担う制度ですが、それを所掌する総務省自治の職員は、その実施機関である地方公共団体の幹部を歴任することになります。

特に国家総合職(旧国家Ⅰ種)として採用された場合は、入庁約1年後に全国の地方自治体(都道府県庁)に係員級として出向したのち、入庁約7年後には地方自治体の課長級として出向することになります。地方自治体で課長級に上がるのは、おそらくボリューム層が45歳程度、いくら早くとも30代後半くらいではないでしょうか。かなり若い時点で管理職を経験することになるので、地方自治体の中で異質な立ち位置になります。

そうして、地方と霞が関を行き来しながらキャリア重ねたのち、今度は政令指定都市や都道府県の部長級や、市町村の副首長等といった重職として出向することになります。さらにその後は、人にもよりますが、出馬して知事や市長を経験する方もそこそこいらっしゃいます。

全国の都道府県知事には霞が関の出身者が多くいらっしゃいますが、その多くは総務省自治の出身者でもあるのです。

転勤の頻度が高く、場所もバラバラ

以上の裏返しになりますが、転勤の頻度は高いですし、何より、その場所もバラバラになってしまいます。総務省自治の出身者のキャリアパスを調べたい場合、適当な都道府県知事の略歴を検索すればなんとなくイメージが掴めるかと思いますが、いずれもバラバラな場所に出向していることが分かります。北海道から沖縄まであり得ます。

また、国家一般職として採用された場合にも、キャリアパスのスピードは国家総合職のそれよりも緩やかになりますが、全国の地方自治体を転々とするということ自体には変わりありません。

旅行好きや車好きが多い

最後に、日本全国を巡りながらキャリアを積み上げるという特性上、当然かもしれませんが、旅好きな人が多いです。

かつを

今はカーシェアリングが普及して便利な時代になりましたが、私の知人の総務省自治の職員は、出向先でカーシェアの車を乗り回して、楽しそうに過ごしているイメージがあります(笑)

まとめ

以上です。総務省、特に「自治」は霞が関の中でもキャラクターが目立っています。集計は行っていませんが、すべての中央省庁の中でも、都道府県知事を最も多く輩出しているのは総務省ではないでしょうか。そういった意味でも、そのキャリアパスは魅力が大きいと思います。霞が関と地方を行き来するというところが特徴ですが、地方が好きな人にとっては天職になり得ます。今回は、そんな総務省(自治)の紹介でした。

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