霞が関の各省庁は、省庁によってその雰囲気(カラー)が異なることが興味深いです。「省庁別イメージ紹介シリーズ」は特定の省庁をピックアップして紹介を行うという企画です。出先機関というよりは、各本省に焦点を当てた記事となります。可能な限り事実、データや法令等を引用することを心掛けますが、「イメージ」について語るという企画の特性から、筆者の偏見も大いに入り混じることはご容赦ください。この記事では、第1弾として、経済産業省を取り扱います。
基礎的データ
・組織
経済産業省本省のほか、その外局として資源エネルギー庁、特許庁、中小企業庁の3つがあります。なお、外局のうち独自に採用を行っているのは特許庁のみで、残る2つについては本省等で採用された職員が配置されています。
出先機関としては、各地方に1局ずつ、経済産業局が置かれています。
・職員数
- 経済産業省本省……4,500人程度
- 特許庁……2,700人程度
- 中小企業庁……200人程度
- (合計:7,400人程度)
省庁の中ではそこそこ大きな規模です。とはいえ、国土交通省や厚生労働省のように三万人を超えるところと比べれば少ないですが……。
・庁舎
霞が関一丁目に本経済産業省本館と別館が置かれており、本省、資源エネルギー庁、中小企業庁はそのいずれかで勤務しています。
一方、特許庁は霞が関三丁目に別に庁舎を持っており、基本的にはそこで勤務することとなります。
霞が関のエリート、花形
経済産業省のイメージについて、これは偏見に過ぎないですが、本府省の中でも良い意味で目立っており、花形という印象があります。霞が関の中ではあまり聞かない言葉ですが、いわゆる「5大省庁」の一翼を担っています。
また、更に大きな偏見しれませんが、飲み会がかなり頻繁に行われているイメージです。本当に、経済産業省の方とお会いすると、お酒にめっぽう強い方ばかりで驚きます。(笑)
ちなみに、外局の特許庁は、特に国家一般職としてはかなり人気で、採用難易度の高い役所としても知られています。
風通しのよさ
特筆すべきは、風通しの良さです。職員の方と話をすると、経済産業省の方は自身の組織に思い入れを抱いている方が多いようにも感じます。これには裏付けとなるデータも存在しています。民間企業、官公庁等の口コミサイト「Openwork」を運営するオープンワーク株式会社は、「国家公務員の働き方 10年レポート」において、職員による各府省への評価を集計しています。その結果として、断トツで1位に君臨しているのが経済産業省です。(ちなみに、本府省以外のもを含めると、ホワイトとして知られる特許庁が圧倒的な評価です。)項目別で見ると、「風通しの良さ」、「20代成長環境」といった項目において、他省庁を大きく上回っています。
本省別 職員による各省の評価 | |||
府省名 | ( | 総合評価)風通しの良さ | 20代成長環境 |
経済産業省 | 3.52 | 4.1 | 3.6 |
財務省 | 3.17 | 2.8 | 2.6 |
環境省 | 3.16 | 4.6 | 2.8 |
防衛省 | 3.11 | 2.8 | 2.6 |
国土交通省 | 3.09 | 2.9 | 2.6 |
厚生労働省 | 3.08 | 3.1 | 2.8 |
文部科学省 | 3.05 | 3.0 | 2.8 |
総務省 | 3.03 | 2.9 | 2.7 |
外務省 | 2.96 | 2.7 | 3.0 |
法務省 | 2.87 | 2.5 | 2.2 |
農林水産省 | 2.86 | 2.7 | 2.6 |
ちなみに、オープンワーク株式会社の広報の方からは、出典を明記すればデータを使用して良いとお墨付きを頂いています。同社のデータはこれまでブラックボックス化されていた霞が関の容貌を理解する上でも大変貴重なものです。
前述しましたが、良い意味で飲み会やコミュニケーションの場を好む人が多いので、そういった風土が風通しの良さにつながっているのではないでしょうか。
出世の早さ
また、経済産業省は国家総合職、国家一般職の別を問わず、出世(昇任)が早いことを本サイト独自の調査により明らかにしています。詳細はこちらの記事をご覧ください。
多数の外郭団体
また、とにかく外郭団体(独立行政法人等)の数が豊富です。例えば、情報処理推進機構、日本貿易振興機構、宇宙航空研究開発機構、中小企業基盤整備機構等、枚挙にいとまが無いです。そして、これらの役員には経済産業省からの再就職者も多く存在しています。出向先、再就職先が多いことが特徴として挙げられます。
「横文字」が多い
最後は雑談的なトピックですが、経済産業省の打ち出す政策や、省内の部署の名称には横文字(カタカナ・英字)が多いです。例えば、「DX」、「GX」、「スタートアップ」、「グリーン成長戦略」、「サプライチェーン」等ときりがありません。何につけても「日本語らしい」表現で文章を書くことが多い霞が関においては、少しだけ異質(先進的?)な印象があります。
まとめ
本当に好き勝手書いてしまったのですが、あくまで個人的な印象を語るというゆるい記事ですので、ご容赦いただけると幸いです。経済産業省は、以上に列挙したように魅力の多い省庁です。