この記事では、国家一般職試験の第一次試験で課される「一般論文試験」について解説します。
山島筆者も10年以上前ですが国家一般職試験を受験した際に、この一般論文試験も経験しています。
一般論文試験の概要
第一次試験の一部
国家一般職試験の一般論文試験は、第一次試験の一部として行われます。
- 第一次試験:基礎能力試験、専門試験、一般論文試験
- 第二次試験:人物試験(いわゆる人事院面接)
以上のとおり、第一次試験は、基礎能力試験(教養試験)と専門試験という二つのマークシート式試験と、この一般論文試験によって構成されています。
一般論文試験が二次試験の際に行われると勘違いされがちであるため、留意しておきたいです。
概要
一般論文試験は、人事院の試験案内によれば、「文章による表現力、課題に関する理解力などについての短い論文による筆記試験」とされています。
試験時間は1時間で、求められる文字数は1,000字弱です。
なお、過去問は検索すればすぐ見つけられるため、ここでは掲載しませんが、例年、出題と一緒に資料が掲示され、その資料を読んだ上で、意見を求められるような形式となっています。
一般論文試験の特徴
続いて、一般論文試験の特徴について深堀りするとともに、ワンポイントアドバイスを記していきます。
一次試験に行われるが最終合否判定のみに用いられる
一つ目のポイントとして、国家一般職試験の一般論文試験は、「一次試験の一部として行われるが一次試験の合否判定には用いられない」という珍しい特徴があります。
したがって、一次試験の合格者は、あくまで筆記試験(教養試験、専門試験)の出来によって決せられることとなります。
一方で、一次試験に合格して、二次試験(人物試験)を受験した人から、最終合格者を決める段階においてのみ、この一般論文試験が用いられることになるのです。
知識を問うものではない
もう一つ留意したいのは、この一般論文試験は知識を問うものではないということです。
上述のとおり、一般論文試験は「文章による表現力、課題に関する理解力などについての短い論文による筆記試験」とされています。
そして、上述のとおり、出題の際には、例年、そのテーマとなる行政課題について、図や統計等の資料が添付されています。
いわば、論文を作成に当たって必要な知識はその場で提供されるということになります。
この実施形式からも、一般論文試験が知識を問うものではないということが分かります。
「知識」を問うのは専門試験や教養試験(の一般知識分野)であり、対して、一般論文試験では文章の表現力といった「能力」が問われてます。
出題テーマの予想は困難
また、出題されるテーマがかなり幅広であるという特徴があります。選択肢が膨大であるため、事前に予想をつけることはまず不可能です。
国の行政として課題となり得る全てのテーマが、一般論文試験のテーマになり得ます。



私は何度か国家一般職を受験していますが、そのうちの一回は、「言葉についての関心を喚起し、理解を深めるための施策」について問われました。完全に門外漢なので、出たとこ勝負になりました。
国家一般職と比較されがちな試験種として特別区Ⅰ類がありますが、特別区Ⅰ類の論文試験は(おそらく)試験の中で大きな比重を占めており、また、出題テーマの予想がしやすいという特徴があります。このサイトでも以下のような記事を作成しています。


国家一般職と特別区Ⅰ類はこの点において対照的になっています。
- 国家一般職の一般論文試験ではテーマを予想することは困難であるため、事前に行政や政策の知識を深めておくための勉強をしておく必要はありません。
(一方で、無対策でいいのかと問われるとそういうわけでもありません。対策については後述します。)
標準偏差が小さい
一般論文試験の最後の特徴は、標準偏差が小さいということです。すなわち、差がつきづらい試験だということです。
一般論文試験は、1~6の6段階評価です。最高点が6点、平均点は例年4点前後、標準偏差は0.8前後です。これに基づいて計算すると、受験者のうち8割程度が、3~5点に集中していることが分かります。
もっと言うと、4点を獲得する受験者がほとんどです。この点については以下の記事でも詳述しています。


どのような分布に従うかにもよりますが、一例としては以上の記事のように、8割近くが4点(平均点)に収束するという見方も可能ですし、実際の受験生の報告からも、大多数が平均点やその周辺の得点に落ち着いていることが分かります。
一応足切り(基準点)という制度は存在しているものの、試験当日に与えられる文章と資料を読んでソツなく記載すれば、足切りに該当することはまず無いので、あまり気にする必要はありません。
優先度は相対的には高くない
一般論文試験は足切りになる可能性は極めて低く、また、差もつきづらいということを説明しました。
また、配点自体もそのほかの試験(筆記試験・人事院面接)に比べれば最も小さいため、相対的には。国家一般職試験における一般論文試験の優先順位は低いです。
国家一般職試験で最も重要なのは、憲法、行政法、マクロ経済学、ミクロ経済学、財政学等の専門試験です。これらの科目は差がつきやすい(標準偏差が大きい)上、勉強すれば如実に得点に結びつくためです。
まずは専門試験を始めた筆記試験の対策を入念に行うことが肝要で、筆記試験対策が一巡した頃に、可能であれば一般論文試験の対策も行っておくというのがベストです。
一般論文試験の対策
筆記試験の勉強がある程度落ち着いたら、可能な限り対策を行っておきたいのが一般論文試験です。
- 一般論文試験の対策はマストではありませんが、できればベストです。
そして、上述のとおり一般論文試験は標準偏差が極めて小さいです。仮に一般論文試験で5点を取れた場合は、一般論文試験が4点の場合と比して、筆記試験でおよそ3点分に相当するアドバンテージを得られます。(国家一般職試験は標準化得点により合否が決まるため)
可能であれば何らかの対策は行っておきたいです。
「文章による表現力」が求められるというとあまりに漠然としていて何を対策すればよいのか分からないように思うかもしれません。しかし、論文試験はある種「ゲーム」です。例年、出題されるテーマは違えど出題形式はある程度パターン化されていますので、コツさえ押さえておけば、平均よりも高い点数(平均が4点前後であるため、5点以上)を取る可能性が高くなります。
最も手っ取り早いのは、アガルートの「教養論文対策講座」を受講して、そういったコツを身につけておくことです。「教養論文対策講座」の先生の講義は私も(昔ですが)受講していたことがあり、喋りのテンポがよく耳に馴染みの良い講義なので大いにオススメできます。









