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近畿(関西)圏の公務員試験の過去7年分の倍率推移【京都、大阪、兵庫、神戸、三重、奈良、和歌山、国家公務員】

昨今の報道では、公務員試験の人気や難易度が凋落しているという話をしばしば目にします。

この記事では、その実態を明らかにすべく、勤務地が主に関西(近畿)圏となる大規模な試験種の試験倍率の近年の推移を調査し、時系列に沿ってまとめましたので、ご覧ください。

以前作成した以下の記事の関西版となります。

目次

関西圏の公務員試験の倍率の推移

結果は以下のとおりです。なお、これらの試験倍率は、基本的に「1次試験受験者を最終合格者で除した値」としていますが、「申込者を合格者で除した値」しか公表されていない場合は、その値を採用しています。

地方公務員-都道府県(大卒・行政系区分)

まずは関西圏の主な地方公務員の試験として、近畿7府県の大卒区分の試験種の倍率を一覧化しました。中にはSPI区分と既存の専門試験が課せられる試験種を併置しているところもありますが、そのような場合、後者の倍率を掲載しています(母数が大きいからです。)。

※もちろん、AIに自動収集させたデータではなく、筆者が各自治体等のサイトにおいて一次情報を自力でピックアップしたものです。

試験年度京都府
(1類行A)
大阪府
(行政)
兵庫県
(事務)
三重県
(A行政1)
滋賀県
(行政)
奈良県
(春-行政)
和歌山県
(1種行政)
R72.47.93.62.13.44.72.2
R61.89.04.22.42.76.71.6
R52.26.14.33.63.21.93.2
R43.07.94.33.13.52.63.6
R32.15.05.13.15.42.43.9
R23.33.85.33.55.63.93.8
R13.55.94.83.94.33.64.3

結果は以上のとおりです。単位は全て(倍)です。全体的な傾向はバラバラですが、京都府、三重県、滋賀県、和歌山県あたりはやや易化傾向にあると言えそうです。

都道府県間の比較では、大阪府が突出して倍率が高く、京都府は意外にも倍率は低めでした。京都府は京都市以外の市部の面積も広く、異動対象となる地域が広いことから、受験生が回避している(大阪府や京都市役所等に逃げていっている)可能性が考えられますね。

地方公務員 – 市役所(大卒・行政系区分)

市役所については以下のとおりです。近畿7府県の県庁所在地の市役所についてデータを整理しています。

こちらも、試験種が複数ある場合、昔ながらの基礎能力試験(教養試験)や専門試験が課され、かつ初夏頃に行われる大規模な大卒程度の行政区分試験を対象としています。たとえば神戸市ではかなり多数の試験種がありますが、大卒の「基礎的能力・専門試験方式」の「総合事務」の区分を対象にしています。

なお、「-」としているところは、データを収集できなかったところです。

試験年度京都市
(一般)
大阪市
(22~25)
神戸市
(総事務)
津市
(6月事務)
大津市
(上級事務)
奈良市
(一般事務)
和歌山県
(事務2型)
R73.33.33.43.020.319.04.2
R63.53.26.36.020.111.75.9
R53.44.35.06.28.78.28.3
R43.63.38.815.110.94.65.4
R34.34.05.242.714.56.010.1
R25.42.64.817.713.224.2
R16.75.54.510.511.622.0

結果はバラバラですが、例えば京都市、津市、和歌山市では明らかに易化傾向にあると言えそうです。

その他はかなり結果にバラつきがありますが、市役所はよく採用試験の内容が大きく変わることがあるため、その影響も大きそうです。

また、直感と反するのですが、いわゆる「京阪神」の県庁所在地である京都市、大阪市、神戸市よりも、それ以外の市役所の方が倍率は高めになります。

国家公務員(大卒・行政系区分)

続いて、国家公務員についてです。ここでは、近畿圏で働くことのできる主なものとして、国家一般職(行政近畿)、国税専門官、財務専門官、裁判所事務官(一般大卒大阪高裁管区)を取り上げます。

試験実施年度国家一般職
(行政関東)
国税専門官
(A区分)
財務専門官裁事一般職
(大卒東京)
R72.52.11.75.9
R62.72.62.49.4
R52.83.12.85.1
R43.12.72.27.0
R33.32.32.46.7
R25.82.32.4
R15.43.03.3
H305.33.43.9

こちらも、地方公務員と同様に、その変化はややマイルドであるものの、全体的にはやや易化傾向にあることが見て取れます。

ちなみに、国家一般職では全国で地域別に採用を行っていますが、近畿区分の場合は、他の地域と比してトップクラスに倍率が高くなっています。といっても、近年は全体的に易化してきており、この地域差も薄らいできていますが…。少なくとも北海道や東北、四国等の地方と比すると、現在も明確に難しいといえます。このことは以下の記事に詳述しております。

総評

いかがでしょうか。自治体や試験種によっても大きく異なりますが、全体的な傾向としては、どちらかといえば近年の近畿圏の公務員試験は易化傾向にあると言えます。

政策立案や行政の執行に携わる公務員の人材確保が危ぶまれていることは、個人的には大きな問題であると考えています。

現に国家公務員の場合であれば、人事院は、試験受験資格の拡大、試験科目の緩和等、毎年さまざまな手を打っています。地方公務員の場合においても、筆記試験を行わない試験種を新設するなどの対応を急いでいるところも目立ちます。

一方、これから公務員を志す人の立場からすれば、この状況はチャンスとも考えられます。

注意事項

「倍率=難易度」ではないので注意

なお、以上のとおり各試験種の倍率を掲載しましたが、これが一義的にその難易度を示すものではないことにはご注意ください。公務員試験の「倍率」と「難易度」は完全にイコールではありません。「難易度」に対して因果関係を持つ因子には、「倍率」のほかに「受験者のレベル」があるためです。例えば東大の学部入試でも、多くの学部において前期日程の倍率は2〜3倍台です。

近年の公務員試験は、倍率だけ見ると数倍程度のものも多く、見かけ上は簡単に見えますが、倍率の低いこれらの試験では多数の専門試験が課されるため、いずれにせよ対策に大きな時間をかけなければならないことに変わりはありません。

公務員試験の対策に必要な時間は、難易度の凋落に伴って小さくなってきているのは間違いないですが、安定して全ての試験種に合格できる学力を身につけるためには、1,000時間程度が必要だと考えています。このことは以下の記事でも触れています。

倍率が低くても公務員試験対策は必須

倍率だけとってみれば簡単のように思えますが、実際には、公務員試験のために準備してきた人たちの中でこの倍率を競うことになるので、ある程度難関な試験であることに変わりありません。

たとえば、以上の試験種を志望する場合、「アガルートアカデミー」や「スタディング」といったオンラインスクール等で各科目の講座を受講した上、過去問集で対策を積んでおくことは必須です。

また、可能であれば、アガルートアカデミーの面接対策講座は受講しておきたいです。特に自治体の場合は相対的に面接試験の比重が大きいところが多いです。アガルートアカデミーの面接対策講座は模擬面接も含めて実施することが可能ですが、特に公務員の面接については、客観的な目線で見なければ気づけないことも多いですため、独学の人でも単科的にこれだけは受講しておくことをお勧めします。

国家一般職には、更に官庁訪問が課される

また、国家一般職については、上掲の表において、最終合格までの倍率を掲載しています。実際にはその後に行われる官庁訪問においてもある程度の倍率が生じています。

官庁訪問の倍率はブラックボックス化されており不詳ですが、単純に最終合格者と実際の採用者数の関係から推測するならば、官庁訪問期間中フルに訪問して内定をどこかから得られる倍率は2〜3倍程度と思われます。

上掲の表の値に、さらに官庁訪問の倍率を掛け合わせた値が、内定を得るための実質的な倍率になるということです。現在でも、大卒法律区分から人気の府省庁等を目指す場合、実質的な倍率は100倍近くなることもあり得ます。

まとめ

  • 全体の傾向として、近畿圏の公務員試験の倍率は低下傾向にある。
  • 政令市よりも地方の市役所の方が倍率が高いことが多い。
  • ただし、公務員試験において倍率と難易度は同一の概念ではないため要注意。

公務員試験の試験種別の難易度については、以下の記事でまとめていますので、よろしければご覧ください。

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