私は新卒の際には地方から上京し、公務員となりました。
初めて来る東京には知り合いの1人もおらず、どこか寂しい気持ちに陥ったのが懐かしいです。
今回は、新卒で公務員になるタイミングで賃貸住宅を借りる予定の方等に向けて、おすすめの場所を紹介するというゆるい記事になります。内容はほとんど私見に基づくものですが、特に私のように、地方から上京して東京にいらっしゃる方には参考にしていただけると思います。特に、本省勤務の国家公務員の場合を想定して記事を作成しました。
本省採用の国家公務員1年目の方におすすめの駅
本府省の最寄駅は基本的には霞ヶ関駅(丸の内線、千代田線、日比谷線)です。しかし、省庁によっては虎ノ門駅(銀座線)、内幸町駅(都営三田線)、桜田門駅(有楽町線)等が選択肢に入ります。地図で確認するのも手ですが、できれば実際に各駅のホームから庁舎までを歩いてみた方が良いです。
例えば文部科学省や金融庁(合同庁舎第7号館)通勤する場合、実質的な最寄駅は虎ノ門駅(銀座線)です。丸の内線霞ヶ関駅からだと、ホームからの所要時間は10分くらいかかるかもしれません。こういったことがあるので、特に地方からいらっしゃる方は官庁訪問の時等に、実際に歩いて実質的な最寄駅がどこであるかを確認しておくことをおすすめします。
以下では、霞ヶ関駅に発着する路線別に、単身者にオススメの駅を紹介します。
メトロ丸の内線で霞が関駅へ通勤する場合
丸の内線沿線に住むのであれば、家賃の兼ね合いから霞が関よりも西側が候補になってくると思います。この場合には、次の二つの駅の辺りに住むことをオススメします。
- 荻窪駅:霞が関駅まで30分。本省の若手公務員がおそらく一番住んでいると思われる駅です。丸の内線の始発なので、東京でありながら電車に座ることができます。落ち着いた雰囲気がありつつも利便性は高い街です。また、23区内にしては家賃相場も控えめです。これは私の好みですが、東京西部に所在するため、地盤は台地であり、震災にも強いです。JRも通っているので私生活も充実できそうです。
- 中野坂上駅:荻窪よりほんの少し家賃相場は上がりますが、18分で霞が関駅まで到着します。通勤の便が非常に良いです。丸の内線沿線でこれ以上霞が関駅に近づこうとすると、新宿駅や新宿御苑前駅、四ツ谷駅など、家賃相場が高すぎて人が滅多に住むような所ではなくなってしまいます。丸の内線沿線の西側に住むのであれば、現実的には中野坂上辺りまでが候補かと思われます。
メトロ千代田線で霞が関駅へ通勤する場合
千代田線沿線に住む場合は、家賃の関係で沿線上の北部が対象になってくると思います。この場合には次の二つの駅が特にオススメできます。
- 綾瀬駅:霞が関駅まで27分。家賃が安めです。また、時間にもよりますが千代田線の始発の駅なので、電車に座ることができます。人によっては、足立区は治安が悪いと言う人もいますが個人的にはまったく気になったことはないです。適度に賑やかで住みやすい街です。JR常磐線も通っているので、千葉・茨城方面に実家がある方等にもおすすめです。
- 町屋駅:霞が関駅まで20分。町屋は個人的に大好きな街です。東京らしさをあまり感じない街です。東京でありながら街の中心に踏切もあります。千代田線のほかに京成線が通っており、葛飾区や墨田区といった東京の下町を満喫できます。興味があれば一度街を見てほしいです。下町ということもあり、家賃相場はかなり低めです。デメリットも挙げるとすれば、この地域は東京西部よりも地盤が緩く、また木造家屋も密集しており、東京都都市整備局による、災害等に対する地域危険度がかなり高く設定されています。防災という観点からはデメリットがあります。
メトロ日比谷線で霞が関駅へ通勤する場合
メトロ日比谷線で通勤する場合、北千住駅を特にオススメします。
北千住駅:霞が関駅まで23分。正直、メトロ日比谷線についてはおすすめできる駅が少ないと感じてしまいました。その理由は後述しますが、その中で強いて挙げるとすれば北千住駅です。家賃が安いです。大衆的で利便性が高い街ですが、駅前は飲み屋も多く、ちょっとだけ混雑しています。苦手な人は苦手かもしれません。
ついでに、主要路線の中であえておすすめできない駅を挙げるとすれば、以下が考えられます。(あくまで一つの私見としてご覧ください。)
- 三ノ輪駅(メトロ日比谷線)
- 南千住駅(メトロ日比谷線)
日比谷線沿線から2つの駅を挙げさせていただきました。これらの駅は家賃相場は安めなので一見すると候補になり得そうなのですが、その周辺には、いわゆる山谷地区と呼ばれる「ドヤ街」があります。1泊2,000円程度の簡易宿所が集積している地域で、実際には生活保護を受けてらっしゃる方等の住まいとなっています。気にしない方なら問題ないとも思いますが、特に女性が1人で住むのはちょっと気がひけるような気もします…。
私は地方公務員として生活保護のケースワーカーもしていましたので、その時は山谷地区によく通っていました。
メトロ銀座線で虎ノ門駅に通勤する場合
続いて、数は少ないと思いますが、文部科学省や金融庁、会計検査院等の合同庁舎第7号館に通勤する場合には、最寄り駅は虎ノ門になります。駅構内からほぼ直結しているくらいアクセスは良いです。財務省や特許庁等の場合も虎ノ門駅通勤が視野に入ると思います。銀座線で虎ノ門駅に通勤する場合は、次の駅をオススメします。
- 田原町駅:虎ノ門駅まで19分。銀座線沿線の駅は全て家賃が高く、そもそも人が住むことを前提としていない街です。その中でも、比較的家賃が安く、人通りも少な目であるのが田原町駅です。一人暮らしで暫く住む分には悪くないのではないでしょうか。
- 浅草駅:虎ノ門駅まで21分。世界的に有名な観光地であり、人手も多いため住む場所としては向いていないように思われがちですし、個人的にも浅草寺のある台東区側の辺りは物件も少なくオススメできません。しかし、吾妻橋を渡って墨田区側(本所吾妻橋駅の辺り)に出るとそこそこ住める物件があります。毎朝吾妻橋を渡って駅まで歩かなければなりませんが、浅草駅は銀座線の始発でもあるので、電車に座りやすいことはメリットです。
また、この記事では紹介しませんが、もちろん、乗り換えで通勤することも可能です。特に虎ノ門駅(銀座線)が職場の最寄駅となる場合、銀座線沿線は家賃が高すぎるため、日本橋や新橋等で他路線に乗り換えることを視野に入れてみてください。
賃貸住宅の家賃の目安は?
いよいよ不動産屋の記事みたいになってしまいますが、家賃の目安についても紹介します。以前、財務省が取りまとめた統計があって、それによると、本省勤務の公務員の1年目の平均的な家賃は約8万円だそうです。これは私が若手公務員だった時の周囲の実態とも一致します。本省勤務であれば、国家一般職、国家総合職いずれも初任給の手取りは20万円程度になるので、これぐらいの家賃であれば十分に生活していける水準です。
今回紹介した駅についても、概ね、1Kの部屋の家賃相場が8万円程度のところをピックアップしました。(中野坂上だけはもうちょっと高いかも。)
官舎(国家公務員宿舎)はどうか?
また、一応ですが、国家公務員が入居できる官舎の制度があります。しかし、2010年頃に民主党が政権を取っていた時代に、公務員を優遇しすぎているとの批判がされ、官舎はかなり縮小されました。最近になって新しい官舎の建設がようやく進むようになりましたが、それでも戸数が少なく、老朽化が進んだものも多いので、正直、官舎にはあまり期待はできません。
入庁後に申し込めば分かるのですが、直ぐに入居できるのは遠方のところばかりであることが多いです。うまくいけば23区内(足立区や葛飾区)に入居できることもありますが、その可能性は低めです。まず空きのある都内の官舎自体が少なく、空いているのは千葉県や埼玉県、神奈川県等の遠方であることがほとんどです。地方出先機関採用であればよいですが、基本的にはハードワークにもかかわらず遠方から霞が関に通勤するのは正直厳しいです。
ただし、これは国家公務員に共通して供用を受けられる官舎の話です。例外的に、各官庁が独自に官舎を持っているという場合もあります。その場合には話が変わってきますので、興味があれば内定先に問い合わせてみるのがよいです。
また、省庁によっては、そもそも採用された後に暫く期間が経過しなければ官舎に申込みできないとしている場合が多いです。
まとめ
- 本省勤務の公務員1年目、特に霞が関駅に通勤する方におすすめの駅は、「荻窪駅」、「中野坂上駅」、「綾瀬駅」、「町屋駅」、「北千住駅」。
- 乗り換えしても良いなら、それ以外の路線沿線上の物件も大いにアリなので検討してみてください。
偏見ばかりのかなりゆる~い記事でしたが、お付き合いいただきありがとうございました。