この記事は、ワンポイントアドバイスな内容となります。
現に、公務員試験の受験指導に携わらせていただく中で受験生の方から質問を受けることもある内容です。また、筆者が公務員の採用面接の面接官を行っていた際の経験からも、思うことがありこの記事を執筆しています。
公務員試験の面接試験において、オンライン(リモート)と対面を併用している場合があります。
たとえば、国家公務員の官庁訪問ではこういったケースが見られることが多い印象です。
このような場合、オンライン面接と対面面接のいずれを選択すべきかが迷いどころになるのです。
可能な限り対面面接を推奨
筆者の考えとしては、「可能な限り対面での面接を行うことが望ましい」というものになります。
現に、公務員試験の受験者の方から聞いたお話で、以下のようなエピソードがあります。
その受験生の方は地方の大学に通われていたのですが、わざわざ東京に出向いているのに、都内のホテルで自前のパソコンを使用して、志望先である中央官庁とオンラインで面接(官庁訪問)を行っていたのです。
その理由について尋ねると、以下のようにお話しされていました。

オンラインの方が、話を聞きながらメモを取れるし、官庁訪問中に細かく移動する必要もないので、効率がよいと考えました。
効率が良いという点は一理あるのですが、筆者はこれを聞いて、率直に「もったいない」と感じました。
筆者が中央官庁(東京都霞が関)で官庁訪問の面接官をしていた際にも、コロナが終息した後であるにもかかわらず似たようなエピソードの経験があるのですが、私見としては、選択肢があるのであればなるべく対面で面接を行った方が望ましいと感じます。
その理由を下述します。
対面面接のメリット
対面面接には、オンライン面接と比して以下のようなメリットがあります。
先方とやり取りできる情報量が多い
オンライン・対面の別にかかわらず、大抵の場合、面接できる時間に変わりありません。そうすると、基本的には、時間あたりで多くの情報量をやり取りできる方が有利になります。
対面面接は、オンライン面接ではやり取りできない情報を伝えたり受け取ったりすることができるため、その点において有利になりやすいと考えます。
たとえば、入退室の所作や、自身の持っている雰囲気、面接官の表情の変化や空気感、庁舎の様子といった、絶妙なニュアンスが、オンライン面接では送受信できないものです。
面接官は、一緒に働く人を探すに当たって、受験者についてなるべく多くのことを知って、安心したいと考えています。
(官庁訪問の場合)メモは対面でも取れる
上述のエピソードと関連しますが、少なくとも官庁訪問の場合、オンライン・対面の別にかかわらず、申し出ればメモを取ることは可能です。
むしろ、官庁訪問において、このように申し出て熱心に話の要点をメモする姿は、好意的に映ることが多いはずです。
熱意が伝わりやすい
最後に、これは少し体育会的で嫌な気もしますが、オンライン面接という選択肢があるにもかかわらず、遠方からわざわざ対面面接に赴くというのは、熱意をアピールできる一つの手段になるからです。
面接試験における評価を占める大きな要因の一つに「熱意」があります。「熱意」をアピールするには、とにかく志望先のことを事前に調べ尽くして、知識を仕入れておくというのが重要です。ただ、遠方からわざわざ赴いて対面面接を希望するというのは、補足的ではありますが、「熱意」のアピールにおいて有効であるはずです。
ただ、本当に志望先を目指したいという思いが強いのであれば、以上のような受験上の戦略を抜きにしても、折角なら直接赴いて対面面接を行うというのが自然な選択になるように思えます。
なるべく対面面接を
以上のことから、金銭的・時間的にどうしても困難でない限り、選択肢がある場合は対面面接を行っていくことが望ましいと考えます。
たしかに大きな移動は一時的にはコストが嵩みますが、今後の人生全てを左右する一瞬には、コストを惜しまないことが得策だといえます。
模擬面接や面接講座を受けておくことが理想
今回取り上げたものは、公務員の面接における様々なトピックのうちの一つに過ぎません。
熟練した面接官は、受験生の細かな行動や履歴書の書き方、言葉選び一つからも、どれだけ真剣に対策をしてきたかを読み取ることがあります。
私は、公務員試験における面接対策には意義が大きいと考えています。
面接試験に「必ず」はありませんので、いくら対策を積み重ねても、望ましい結果を得られるとは限りません。しかし、できるだけ限り合格(採用)の可能性を高めるという意味で、対策する必要があります。
そして、公務員試験の面接試験は、上述のように、面接自体の内容のほかにも、ロジ的なことで知っておいた方がよいことや、テクニックのようなものもあるので、一般的な模擬面接や書籍による対策よりも、公務員試験対策に特化した予備校や専門学校の模擬面接を用いることを推奨します。
様々な選択肢がありますが、総合して私が最も強くおすすめできるのは、面接講座や模擬面接のみを単科的に利用できるアガルートアカデミーの面接対策講座です。





もう随分前ですが、私もアガルートを活用して公務員に採用された経験があります。
もちろん、まずは筆記試験が公務員試験対策の要であることに変わりありませんが、面接本番までに一度以上は模擬面接と、何等かの講座を受講しておくことが望ましいです。