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国家公務員の内定者や若手の方におすすめする本(書籍)3選

国家公務員の内定を得た方から、入庁するまでに何をするべきかと相談を受けたことがあります。「学生のうちに遊んでおくべき」というのが私の回答なのですが、敢えて内定者や若手公務員向けに読んでおくと役に立つ書籍をおすすめするという記事を書いてみました。

なお、国家公務員(内定者)の方に向けた1番のおすすめは当然ですが内定先の省庁の職務に係るものです。今回は、(皆さんがどこの内定者・職員かが分からないため、)そうではなく、国家公務員として一般的に役に立つ書籍という観点から、以下の3つをおすすめします。

目次

3位:『予算と財政法』(小林武、新日本法規、2016)

一冊目は財政に係る書籍です。「財政法」という法律があることはご存知でしょうか。財務省が所掌する法律です。財政法や予算制度について割と網羅的に知ることができる書籍ですが、翻って言うと、やや難読です。おまけになかなか分厚いです。文章も逐語的なので、読破するのには体力が要ると思いますが、かいつまんで読むだけでも十分だと思います。特に、「建設国債の原則」、「60年償還ルール」、「市中消化の原則」といった国際に係る知識や、「総計予算主義」、「財政処理権限の国会議決原則」等の財政の原理・原則については超重要です。そのほか、「出納整理期限」、「国庫債務負担行為」、「継続費」なんかは入庁すれば日常的に聞く言葉になりますが、事前に知っておくのも良いかと思います。

国家公務員として予算や会計に直接携わる部署に配属されることがなかったとしても、政策と予算は不可分のものなので、学んでおくと必ず役に立つ時が来ると断言できますので、是非手にとってみてください。

ちなみに著者の小林氏は、旧大蔵省で事務次官を務められたのち、退職後は日本政策投資銀行総裁等を歴任された方です。

2位:『日本の統治機構』(飯尾潤、中公新書、2007)

議院内閣制、官僚と議会の関係について学べる書籍です。国会対応に関わることになった際に活きてくる内容です。本書をお薦めすることのデメリットがあるとすれば、書かれたのが2007年、つまり民主党が政権を取る前だということです。情報がやや古いことは否めませんが、政権交代前の書籍であることを前提に読むと、かえってそれが面白く、有益です。かつて政治行政が官僚主導であったと言われる時代から、その構造が変遷するまでの過程が学べます。

1位:『公共政策学の基礎 第三版』(伊藤修一郎・北山俊哉・秋吉貴雄、有斐閣ブックス、2020)

1位は、敢えて少しだけ実務的なものから離れ、公共政策「学」に係る書籍を紹介します。このように銘打たれているものの、学術的な専門性は高くないので誰にでも読み易いです。

例えば、あなたは「垂直的公平」と「水平的公平」の違いについて、あなたは説明できますか?これは公務員試験の過去問集にも載っているので知っている方も多いと思います。では、政策がどのような過程で出来上がるか(政策過程論)を簡単に説明できますか?そういった、政策を考える上でのエッセンスが詰まっている本です。政策立案にあたっては、当該政策に係る実学的・具体的な知識のみならず、それを裏打ちする学術的・抽象的な理論について知っておくことは重要です。ほかにも「政策過程のボトルネック」、「自動化の選好」、「誘導」・「誘因」・「誘引」の違いなど、行政官としての教養を身につけられる本です。個人的には、総合職・一般職を問わず、政策形成に携わる方には必読の書だと考えています。

まとめ

私のおすすめは以上の3冊です。いずれも国家公務員としての基礎的な能力を高められると自信を持ってお薦めできる書籍です。いずれもある程度有名なものなので、政治学系の学部を卒業された方や、公共政策大学院を修了されている方なら、3冊とも全てご存知ということもあり得るかもしれませんね。

かつを

とはいえ、これは月並みかもしれませんが、学生の方であれば、今しかできないことに時間を充てることが最も有意義です。本当に…!

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