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若手の国家・地方公務員や内定者におすすめの資格【ITパス、基本情報、MOS、自治検、行政書士、統計検定、TOEIC】

この記事は、主に公務員の若手の方や、公務員に内定をもらって採用されるまでの期間の方へ向けたものです。若手公務員や内定者の方が取っておくとよい、汎用的な資格についてお話しいたします。

なお、筆者は国家公務員(総合職)と地方公務員(特別区Ⅰ類)の両方の実務経験があるほか、今回おすすめする資格のほとんどを取得済みです。

目次

前提として資格はマストではない

まず前提として、公務員にとって、内定後、採用後に資格を得ることはマストではありません。そもそも公務員試験によって能力が実証されているからです。

一方で、公務に役立つ資格というものも、たしかに多数存在しますので、こういった資格について、以下で紹介していきます。

なお、この記事で対象とするのは、主に事務行政系の公務員です。たとえば技術職の公務員の場合であれば、業務に直結する資格は明確です。たとえば自治体で土木や営繕系の部署にいるのであれば、1級建築士等はその最たる例です。

この記事は、そうではなく、事務・行政系公務員として幅広く、汎用的に役立つことの多い資格を紹介するという視点からお話ししていきます。

また、公務員の業務に役立つ資格として、たとえば司法書士や弁護士等の難関資格があれば、何らかの形で業務に好影響を与えることは想像に難くないですが、これらの資格は、公務員としてのキャリアアップのためではなく、司法書士や弁護士へ転職したり、開業したりするという趣旨が大きいと考えられます。この記事では、そうではなく、難易度にかかわらず飽くまで公務員として広く役に立つ資格を紹介していきます。

事務行政系公務員におすすめの資格

それでは、以下でおすすめの資格を紹介していきます。なお、主に対象として想定しているのは市役所、特別区、県庁等の地方公務員のほか、本府省及び地方出先機関の国家公務員です。

ITパスポート、基本情報技術者試験

まずは、「ITパスポート」及び「基本情報技術者試験」です。

いずれも情報系の資格試験です。DXという言葉が台頭し、デジタル庁が設置されて以降、公務の現場も急速にデジタル化が推進されています。

デジタル系の業務に関わるための人材を独自枠で採用する流れも進んでおりますが、普通の採用試験種で採用された公務員にとっても、「ないに越したことがない」のがデジタルの知識です。国家公務員・地方公務員の別にかかわらずこれは同じです。

行政系で採用された文系出身者であっても情報系の部署に配属されることは往々にしてありますし、そうでなかったとしても、日常業務でITに接する機会が顕著に増えています。たとえば自治体であれば、住民戸籍、介護保険、生活保護、税務等の固有の業務はそれぞれ独自のシステムを導入して実施していますし、これらのシステムの更改(企画や調達)に携わることもあるかもしれません。システム関連の知識はどこへ異動しても必ずつきまといます。

ITパスポートは比較的難易度の低い資格試験で、合格率は5割程度です。基本的にテキストを1冊購入して暗記で事足りる試験です。オンラインスクール等もありますが、公務員試験に合格する実力を持っている方であれば、独学で本を1冊勉強した方が手っ取り早いです。筆者はかやのき先生のITパスポート教室を読み込んで合格しています。

令和07年 イメージ&クレバー方式でよくわかる かやのき先生のITパスポート教室 [ 栢木 厚 ]

そのもう一つ難易度の高い資格が基本情報技術者試験で、合格率は3~4割程度で推移しています。特にアルゴリズム関連は文系出身者にはとっつきにくいですが、出題は多くはないため、合格だけを目標にするなら完璧に理解していなくとも何とかなったりします。独学でも合格は可能で、かやのき先生の基本情報技術者教室を読み込むのが基本的な戦略になります。

令和07年 イメージ&クレバー方式でよくわかる かやのき先生の基本情報技術者教室 [ 栢木 厚 ]

MOS

続いて、MOS、すなわちマイクロソフト・オフィス・スペシャリストです。

いくつか種類がありますが、汎用性が高く全ての公務員におすすめしたいのは、Word及びExcelです。難易度はスペシャリスト(一般)の方で十分です。

公務員は基本的に事務職です。国家・地方問わず、どこの職場に行っても、WordとExcelは必ず使います。PowerPointは稀に使用するくらいなので、MOSを取って勉強するほどではないと感じます。一方、Accessはまず使用しないですね。

私も合格していますが、なんだかんだでかなり役立つ資格です。どちらかというとExcelの方が役に立っていることが多いと感じます。特に関数を使いこなせる人は、役所でも一目置かれたりします。以下のような関数は役所の業務で使ったことがあります。

  • SUM
  • AVERAGE
  • MAX
  • MIN
  • COUNT
  • COUNTA
  • COUNTIF
  • TEXT
  • RIGHT
  • LEFT
  • RAND
  • VLOOKUP
  • XLOOKUP
  • INDEX

関数のほか、Excelのフィルター機能やデータ入力規則機能、ピポットテーブル等を使いこなせる人はかなり重宝される場面もあります。

MOSに話を戻しますと、勉強方法としては、独学で十分です。合格率は過半数を超える資格試験なので、わざわざスクールを受講する必要はありません。また、学習の仕方にはポイントがあります。

MOSの学習においては、演習や模擬試験が著しく重要です。

具体的には、以下のように模擬試験のプログラムが付属しているテキストで勉強すれば間違いありません。筆者が合格したのは10年以上前のことですが、MOSではとにかく実際に操作(演習)して学習することが重要です。

MOS Word 365 対策テキスト&問題集 (よくわかるマスター) [ 富士通ラーニングメディア ]


感想(1件)

MOS Excel 365 対策テキスト&問題集 (よくわかるマスター) [ 富士通ラーニングメディア ]


感想(4件)

Word、Excelのいずれも総勉強時間は10~50時間程度で十分合格できる資格試験です。

自治体法務検定

続いては、主に地方公務員におすすめの検定試験で、自治体法務検定というものがあります。あるいは、国家公務員であっても総務省自治にお勤めの場合は自己啓発やキャリアアップとしておすすめできます。自治検という通称でも呼ばれるものです。

少しマイナーな検定試験ですが、主に地方公務員の方の自己啓発として人気がある印象です。自治体の中で条例や規則の制定・改廃を担当したり、情報公開請求等の対応をしたりする方にとっては重要な知識を学ぶことができる検定試験です。

また、自治体法務検定は資格試験と異なり、合格・不合格があるものではありません。受験後に、点数等が科目ごとに細かく記載された成績表を受領できるため、それをもって自己啓発していくようなイメージです。プラチナ、ゴールド、シルバーの3つのランクがあるので、ランクを目標にするのもよいです。

自治体では組織的に目標設定や業績評価制度を取り入れているところがほとんどのはずですが、この目標設定において、業務外の個人的な目標として自治体法務検定を取り入れるのもアリだと思います。

山下

そのようにして私も地方公務員時代に勉強していたことがありますが、プラチナランクにたどり着くことはできませんでした。

基本法務編と政策法務編があり、法学の理論を主に対象とするのが基本法務編、やや実務よりなのが政策法務編といったイメージです。また、基本法務編で最も出題数が多いのは地方自治法ですが、自治体によっては地方自治法が昇任試験で出題されるというところも多いでしょうから、昇任試験においても役立つ知識を学んでおきたいという場合は基本法務編をおすすめできます。

勉強方法は、極めてシンプルです。以下のとおり公式テキストと公式問題集が販売されているため、それをこなすことに尽きます。(テキストはよく新年度版が出ているため、ご留意ください。)

自治体法務検定公式テキスト 基本法務編 2025年度検定対応

自治体法務検定公式テキスト 政策法務編 2024年度検定対応【電子書籍】

自治体法務検定問題集 2024年度版 [ 自治体法務検定委員会 ]

行政書士

続いておすすめするのは、行政書士です。

合格率が1割前後で推移していることかも分かるように、これまでの紹介したものから群を抜いて難しい資格試験です。

独立開業も可能な資格ですが、試験科目の要である行政法は公務員にとっても重要なので、自己啓発やキャリアアップにも役立ちます。資格の難易度から、持っていると一目置かれる資格ではあります。ただ、司法書士と異なり、超最難関の資格というわけではないため、持っていたとしても「この人、仕事辞めるつもりなのかな」などと勘繰られることは無いです。そういった意味では、行政書士は公務員のキャリアアップとして絶妙なラインの難易度の資格です。

難易度は高いですが、メインとなる試験科目は出題数が多い順に行政法民法憲法商法・会社法があります。行政法民法憲法までは公務員試験で勉強済みの場合も多いと思いますが、多肢選択式のほかに記述式の問題も課されるため、行政書士に特化した対策は必須になってきます。

勉強方法については、特に法律系科目が得意な方や、かつ公務員試験を受けた直後といった一部の方を除いては、オンラインスクールを活用するのが手っ取り早いです。

おすすめできるのは、以下の二つのオンラインスクールです。

以上の二つは、いずれもスキマ時間に学習して合格を目指すことを視野に入れた講座です。スマホがあればどこでも視聴できるので、現職の公務員と相性が良いです。他に通学型の講座もありますが、働きながら合格を目指す場合は、以上のようなオンラインスクールがやはり望ましいです。

現に公務員である方の場合、働きながら継続的に学習して、長期的に何度か受験して合格を掴むといったようなイメージです。1年で受かれば御の字ですが、働きながらであればより長期戦になるのもやむなしですので、ゆっくり勉強していく姿勢が大事です。私も一度不合格になっているので、2年弱の間、片手間で行政書士の勉強をしていた経験があります。

統計検定、統計調査士

最後に紹介するのは、統計検定統計調査士です。

いずれも、まだ全国的にはマイナーな試験の部類に入るかもしれませんが、徐々に知名度を上げてきている印象があります。行政機関において、EBPM(Evidence Based Policy Making)と呼ばれ、統計的なデータに基づいた政策決定を求められる趨勢にあります。

地方自治体においてもそうですが、どちらかというと国の政策立案に携わる国家公務員において、統計の知識が求められることが増えていると感じています。

たとえば、実際に計算までできずとも、以下の語の意味を理解できるくらいにはなっていた方が望ましいです。

  • 平均値と中央値
  • 推測統計
  • 検定
  • 信頼区間
  • 相関関係と因果関係の違い
  • 回帰分析

統計検定でいうと、おおむね2級から3級くらいの知識に相当します。

勉強する場合は、基本的に独学で推し進める形でよいと考えます。超大手予備校等では統計検定の講座を開講しているところもありますが、まだ発展途上の資格ということもあり、あまり充実していないのが現状です。

級によってテキストが分かれているためここでは掲載しませんが、日本統計学会のテキストを使用して勉強する形となります。

TOEIC 又は TOEFL

最後に、TOEICTOEFL等の英語試験についてお話ししておきます。公務員として役に立つ場面があるかどうかは、状況によります。

地方公務員の場合

まず、地方公務員の場合は、窓口に外国人がいらした場合にコミュニケーションが取りやすくなるというメリットはあるものの、役所の中には誰かしら外国語が話せる人がいるはずですし、そのためだけに地方公務員が英語を勉強するというのは、よっぽどタフな方でなければイメージがつきません。

役所によっては、各外国語が喋れる職員のリストを作成、共有しているようなところもあり、特定の人に外国語を勉強させるのではなく、現に外国語を喋れる職員を活用するという仕組みを採っているところがほとんどのはずです。

したがって、民間への転職等を考えているような方や、海外が好きで個人的に学びたい意欲のある方でない限り、地方公務員が業務のために英語を積極的に勉強する機会は少ないと考えられます。

国家公務員の場合

一方の国家公務員の場合ですが、明確に英語力が必要になる場面として、「海外留学を目指したい場合」というものが挙げられます。

国家公務員には、地方公務員と異なり、公費で海外の大学院に留学する制度があります。「行政官長期在外研究員制度」や「行政官短期在外研究員制度」と呼ばれるものです。

基本的にはそれぞれの役所の中で外国語の能力が高い人にその機会が巡ってくることが多い印象ですので、将来的に海外留学をしたい気持ちがある場合には、若手のうちから英語力を高めておき、それを職場内の定期面談や定期自己申告においてアピールしておくことが重要です。

具体的に、公務員が仕事の傍らで英語力の向上を目指す場合、リクルートの「スタディサプリENGLISH」を活用することをおすすめします。「スキマ時間で手軽に学べるアプリ」と銘打っているように、片手間で少しずつ勉強していくということも可能になっているため、現職公務員との相性が良いです。パーソナルコーチ」のつくプランで勉強してもよいですし、職場の自己申告やアピールという点ではTOEICのスコアも有用ですので、「TOEIC L&R TEST対策コース」でマイペースにスキマ時間で学習してスコアを伸ばしていくという使い方も可能となっています。

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