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公務員試験合格に必要な総勉強時間【1000時間は必要?国家公務員・地方公務員】

公務員試験(行政系)における総勉強時間は、一般的に合格するまでに1,000時間が必要といった声を聞くことがあります。実際のところは人によって異なるのでしょうが、一例として、私が初めて公務員試験を受験した際の勉強時間を公開します。

かつを

私は、自分でも変わっているとは思うのですが、効率の良い学習を心掛けて、毎日勉強後にエクセルに科目別の勉強時間を入力し、集計していましたので、その結果を整理してお伝えします。

目次

公務員試験の勉強時間(一例)

私が初めて公務員試験を受験した際の、科目別、月別の勉強時間は次のとおりとなっていました。

勉強をしていた期間はおよそ7ヶ月ほどで、総勉強時間は1,248時間という結果でした。ただし、以上の時間数には、説明会や模擬試験にかけた時間、ネット上で情報収集をしている時間等は含んでいません。また、私の受験した年度には6月にも試験があったため6月にも勉強していましたが、時間数は多くないため以上には6月分の時間は掲載していません。これらを含めると、あと100~300時間ほど上乗せされると思いますので、公務員試験の準備にかけた総時間は1,500時間程度でしょうか。

また、試験日程は私の受験当時と現在では少し異なっていますので、今の試験にアジャストするなら、すべて1~2か月前に換算して読み替えていただくと良いと思います。(特に国家総合職等は現在はかなり前倒しされていますね。)

さて、この結果の含意として、主に以下の3つのことが言えると考えます。

数的処理に大きな時間を割く必要はない

私の勉強の仕方として特徴的だったことは、数的処理にはあまり時間をかけなかったことです。数的処理は時間をかければ伸びていく科目であることに変わりはありませんが、勉強1単位あたりで得られる得点向上率は基本的に専門試験より低いです。私は受験生だった当時にそれを感じて以上のように専門試験中心の勉強を進めましたし、受験生指導をする立場になってからも同じようにお伝えしています。最も効率的に勉強を推し進めるなら、1つの科目における勉強1単位あたりの得点向上率は、勉強を続けていくと逓減する(完成に近づくと頭打ちになる)ため、専門試験の科目が概ね完成した頃合いから数的処理に取り組むということになります。

しかし、現在の公務員試験においては、以上のような勉強時間のモデルの例のように、専門試験を中心に勉強する段階のままであっても十二分にボーダーを上回ることが出来ます。公務員試験界隈では数的処理がメイン科目の1つのように扱われ、その対策に尽力することが推奨されているような雰囲気がありますが、数的処理に大きな時間を割く必要はないというのが私の結論です。

1つの専門試験科目に割く時間の目安は100時間ほど

上のモデルにおいて、1つの専門試験科目に割いている時間は最大で173時間、最小で67時間となっています。(ほぼ捨てていた民法2と労働法は除いています。)また、平均を取ると98時間と、100時間に近似する値となっています。このことから、1つの専門試験科目に割く時間の目安はおよそ100時間が望ましいと考えています。具体的な作業量ベースでいうと、過去問集を5、6週するくらいです。

ちなみに、私の勉強時間を科目別に見た場合、突出しているのは、民法1(173時間)、ミクロ経済学(179時間)、マクロ経済学(159時間)ですが、これには理由があります。この3科目については、直接過去問集に取り組むのではなく、その前段階としてまず導入用のテキストに取り組むこととしていたためです。

同じ専門試験科目の中でも、コスパの良し悪しがある

また、私は本試験において、専門試験において特に特異な科目や苦手な科目はなく、どの科目も7~8割程度に収束するという結果でした。にもかかわらず、以上のように実際に要した勉強時間には大きな隔たりがありますので、特に国家一般職や特別区Ⅰ類のように科目ごとの出題数が一定の場合には、専門試験の中にも、科目によりコスパの良いものとそうでないものでがあるということが言えます。

試験結果

また、以上の勉強時間で、次の試験種の筆記試験に合格することができました。(不合格となったものはありませんでした。)

  • 国家総合職(大卒・法律)
  • 国家一般職(大卒・行政)
  • 特別区(Ⅰ類・事務)
  • 某政令指定都市(大卒・行政)

これらの本試験の点数は次のとおりでした。

以上の勉強時間モデル例における各本試験筆記試験の結果
試験種教養試験(点)専門試験(点)
国家総合職(大卒・法律)23/4028/40
国家一般職(大卒・行政)24/4031/40
特別区(Ⅰ類・事務)23/4032/40
某政令市(大卒・行政)(7割程度、問題選択式)(8割程度、問題選択式)

このとおり明らかに教養試験の点数は低いですが、これは当初の作戦どおりで、むしろ得点の伸び率の高い専門試験を重点的に学習することで、効率の良い試験対策ができたと考えています。

なお、政令市については試験実施当局において正式に解答が公表されていないため、民間の予備校のデータリサーチ等を駆使して採点したものです。したがってある程度ぼかした表記にしています。

「合格までに1000時間」は的を得ているかも

冒頭のお話に立ち返りますが、私が公務員試験を初めて受験した際の勉強時間は1250時間程度で、ある程度の余裕を持って各試験に合格することができています。そうすると、一般的な「合格までに1000時間が必要」という言説は、案外的を得ているようにも思えます。

まとめ

  • 数的処理に大きな時間を割く必要なく、専門試験に注力するべき。
  • 1つの専門試験科目に割く時間は100時間ほど。
  • 専門試験科目の中にもコスパの良し悪しがある。
  • 「合格までに1000時間が必要」ということはある程度的を得ている。

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