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主任試験における地方自治法・地方公務員法の勉強方法やテキスト【都道府県・市役所・特別区】

自治体においては、係員(または主事)として採用されたのち、五年程度の年数を経てから主任級職に昇格するための試験(選考)を設けている場合がほとんどです。その主任試験においては、自治体にもよりますが、地方自治法と地方公務員法の多肢選択式試験が課されることが多いです。

ほかにも、自治体によっては数的処理のような問題が課される場合や、時事問題が課されるとこがありますね。また、論文試験や面接試験は多くの自治体において実施されていると思います。この記事では、主任試験における「地方自治法」及び「地方公務員法」の多肢選択式試験の勉強法や、おすすめのテキストを紹介していきます。

かつを

筆者は特別区Ⅰ類の職員として採用されましたが、主任試験の受験資格を得られる入庁五年目に、一発で試験をクリアすることできました。

また、主任試験全体については、自治体によってその科目や対策方法は自治体によって千差万別です。したがって、当該自治体内の先輩等に尋ねることがベストとなります。とはいえ、地方自治法・地方公務員法の多肢選択式に限っては、その対策はどこも同じようなものになるはずですので、今回はこの点に焦点を当ててお話ししていきます。

また、主任級試験だけでなく、係長級試験や管理職試験についても、自治体のよってさまざまですが、地方自治法及び地方公務員法の出題がある場合がありますので、以下を参考にしていただけるかと思います。

それでは、ご覧ください。

目次

地方自治法・地方公務員法の勉強方法

地方自治法と地方公務員法の多肢選択式試験については、いずれも勉強方法は同じです。

  • 一冊のテキスト(問題集)を完璧になるまで何度も繰り返す

これで十分です。公務員試験においても、「スー過去」等の過去問集をひたすら何度も繰り返すといった手法が王道かと思いますので、同じ感覚で勉強を進めていけば十分です。また、公務員試験の民法や行政法に比べれば、特に地方公務員法は条文も第65条までしかないため、ボリュームも比較的抑えられています。

おすすめ① 「101問」シリーズ

早速、おすすめのテキストについて、4つほど紹介していきます。ちなみに、この手のテキストは、基本的に地方自治法と地方公務員法が同じシリーズのように出版されていることが多いです。あえてテキストを使い分ける必要はないので、2科目とも同じシリーズのものを使えばよいです。

最もスタンダートなテキストといえるのは、地方公務員昇任試験問題研究会による「地方自治法101問」及び「地方公務員法101問」です。

私が受験した際にも、周囲でこれを使っている人は多かったように思います。データは無いので偏見になりますが、日本の地方公務員において最も愛用されているのはこの書ではないでしょうか。自治体によっては管理職試験においても地方自治法等の試験が課されるところもありますが、様々な自治体の管理職や、主任職以上の方に話を聞くと、この本を知っているという人はやはり多いです。

王道のテキストですし、何より、試験に必要十分な情報が掲載されているのでおすすめはできます。唯一欠点を挙げるとすれば、デザインがやや淡泊かなという所感は拭えません。ひたすら演習問題が繰り返される形式のテキストとなりますので、後述の「スピード攻略」とは好みが分かれそうです。

おすすめ② 「スピード攻略」シリーズ

続いて、個人的に強く推奨できるのが、この「スピード攻略」シリーズです。

ちなみに、著者も出版社も先ほどの「101問」シリーズと同一となっています。何が違うかというと、「スピード攻略」シリーズは、掲載されている問題数が絞られている一方で、内容を理解するための説明や図等のレジュメのページが充実しています。「演習」よりも「理解」に重きを置いたテキストです。

「101問」と「スピード攻略」のどちらを選択するかについては、個人の勉強のスタイルによると思います。たとえば公務員試験の法学系科目の対策を振り返ってみて、とにかく問題数を多くこなすという方であれば、「101問」(もしくは後述の「250問」)が向いていると思いますし、スー過去や解きまくりのレジュメページを活用して対策していた方であれば、「スピード攻略」は多いに推奨できます。

ちなみに、「スピード攻略」と銘打っているように、演習問題の数はある程度抑えられていますが、その代わりにレジュメページが豊富であるため、本のページ数を比較すると、「101問」との差はほぼありません。いずれも200ページあまりのボリュームです。ですので、情報量といった点においては優劣がつけ難く、あくまで各人の勉強のスタイルによってどちらを選択するかを決めることが望ましいのではないでしょうか。

おすすめ③ 「250問」及び「200問」

続いてのおすすめは、地方自治法の「250問」及び地方公務員法の「200問」です。

今回紹介するテキストの中で最も問題数が多いため、その意味ではおすすめのうちの一つではありますが、オーバーワークになりかねないため、使用すべきシーンは限られてくると思います。たとえば、主任試験(または管理職試験)において地方自治法及び地方公務員の比重がかなり高いといった場合には有力な選択肢となりますが、ほかに時事問題や数的処理、論文試験、面接試験等が課される場合には、その対策にも時間を割くべきですので、「250問」及び「200問」はあまりおすすめできません。

また、「250問」等と銘打たれており、単純に問題数だけの比較であれば「101問」とは2倍ほどの開きがありますが、ページ数の比較では、それほどの開きはなく、せいぜい1.3倍程度の違いです。ですので、詰め込まれている情報量にはそこまでの大きな違いはありません。

特に地方公務員法は条文数も少なめの法律ですので、200問も問題があったとしても、かなり重複する部分が出てきます。以上から、「250問」「200問」は網羅性が高く有力なテキストですが、オーバーワークになりかねないため、各自治体における主任試験の出題科目、試験体系に応じて検討すべきと考えます。

おすすめ④ 都政新報「150問」シリーズ

最後に、少しだけ毛色の違うテキストを紹介します。以上で紹介した三つのテキストはいずれも編著者が同一ですが、こちらの「150問」は、都政新報社によるテキストです。

このテキストをおすすめするシーンは明確です。ズバリ、特別区及び都庁における昇任試験において使用する場合に、強くおすすめできます。特別区と都庁では、主任試験と管理職試験において地方自治法や地方公務員法等の筆記試験が課されています。このテキストは発行元が都政新報社ということこともあり、明らかに都庁(及び特別区)の昇任試験をターゲットにしています。

使用感としては「101問」「250問」「200問」と似ていますが、たとえば「大都市事務」や「都区財政調整制度」といったような、首都東京の公務員に独自のトピックについても演習問題が用意されているという特徴があるため、特別区又は都庁職員の方には強くおすすめしたい書です。

ボリューム感については、「150問」と銘打っているとおり、問題数も本の分厚さも、「101問」の1.5倍程度となっています。

筆者の場合

筆者の場合は、主任試験の対策を始めた際、まず導入として「スピード攻略」を一読しました。その上で、私は特別区職員として主任試験を受験しましたので、最終的にメインで使用したのは都政新報の「150問」です。試験当日までに4週くらいしたと思います。さらに、その後、「101問」で不足を補うという使い方をしました。振り返ってみれば、結局三冊に跨って対策したことになりますが、オーバーワークだったなと感じています。たとえば導入の「スピード攻略」は私にとっては不要でした。

主任試験、また係長試験や管理職試験についても同様かと思いますが、その出題科目や出題形式は自治体によって異なります。出題科目が多く、地方自治法及び地方公務員法の出題数が相対的に少ない場合には、「スピード攻略」や「101問」を使えばよいかと思います。逆に、地方自治法及び地方公務員法の出題がメインとなるような場合には、複数のテキストを使って不足を補ったり、「250問」「200問」を使用することが良い戦略といえそうです。

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